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2025.12.24

【第24回】部門別会計はできているか?

はじめに

前回は「管理会計を導入しているか?」というテーマでお話しました。
今回はその管理会計を、さらに実践的で有効なものに進化させる方法として、
「部門別会計」に焦点を当てます。

管理会計を導入していても、
全社一括でしか数字を見ていなければ、経営判断の精度は大きく上がりません。
“どこが儲かっていて、どこが足を引っ張っているのか”
ここまで見えて、初めて管理会計は武器になります。


■事業・部門ごとに「数字の性格」はまったく違う

複数の事業や部門を持つ会社では、

  • 粗利率
  • 労働分配率
  • 人件費構成
  • 投資回収スピード

これらは部門ごとに大きく異なるのが普通です。

にもかかわらず、
全社の数字だけで経営判断をしてしまうと、

  • 儲かっている部門の利益で
  • 不採算部門の赤字を
  • 無自覚に補填し続ける

という構造が生まれやすくなります。


■「稼ぎ頭」と「不採算部門」を見える化せよ

部門別会計の最大の価値は、
稼ぎ頭の部門と、不採算部門を明確に可視化できることです。

  • どの部門が会社の利益を支えているのか
  • どの部門が改善対象なのか
  • 継続・改善・撤退の判断はどうか

これらを感覚ではなく、数字で判断できる状態をつくることが重要です。

経営判断が遅れれば遅れるほど、
不採算部門は会社全体の体力を確実に削っていきます。
判断の遅れは、致命傷になりかねません。


■部門別損益は「経営のレーダー」

部門別会計は、
経営者が状況を俯瞰するためのレーダーです。

  • 売上が伸びているのか
  • 利益率が悪化していないか
  • 人件費が適正か

これらを部門単位で把握できれば、
「全社で何が起きているのか」が一瞬で分かります。


■部門長と数字を共有すると、組織は変わる

部門別会計の効果は、経営判断だけにとどまりません。
部門長と部門別損益を共有することで、組織の質が大きく変わります。

  • 自部門の数字に責任を持つ
  • 売上だけでなく利益を意識する
  • コストや生産性を自ら考える

こうして、
「指示待ちの組織」から
「主体的に利益を生み出す組織」へと進化していきます。


■部門別会計は“経営者の分身”を育てる

部門別会計は、
経営者がすべてを管理するための仕組みではありません。

経営者の視点を、部門長にインストールする仕組みです。

部門長が数字を理解し、
数字をもとに判断し、
自ら改善策を考える。

この状態がつくれたとき、
会社は一段階上の成長フェーズに入ります。


■チェックポイント

✅ 部門別に売上・利益・粗利率を把握できているか?
✅ 稼ぎ頭の部門と不採算部門を明確に認識しているか?
✅ 部門別損益をもとに、迅速な経営判断ができているか?
✅ 部門長と数字を共有し、主体性を育てているか?
✅ 部門別会計を成長戦略に活用できているか?


■部門別会計は「成長を加速させる装置」

管理会計は、導入するだけでは意味がありません。
部門別に分解し、
意思決定と人材育成に使ってこそ、真価を発揮します。

数字が見える組織は、強い。
数字を共有できる組織は、さらに強い。

部門別会計は、
会社の成長スピードを一段引き上げるための、強力な装置です。


更なる熱量を。
税理士事務所WATT 代表税理士 井深悠人


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