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2025.12.10

【第22回】月次決算は早期化できているか?

はじめに

経営者が最も意識すべきこと——
それは、「数字をいかに早く・正確に把握できるか」です。

どれだけ良い戦略を描いても、数字の把握が遅ければ経営判断は後手に回ります。
そして、いまの時代に「後手の経営」は命取りです。


■経営は“スピード勝負”の時代へ

かつては、景気が良く、多少どんぶり勘定でも経営は成り立ちました。
しかし、今は違います。

物価の変動、為替の揺れ、人件費の上昇——
経済情勢が日々変わる中で、数字をタイムリーに把握できない企業は淘汰される時代です。

だからこそ、月次決算の早期化は“経営の防衛力”であり、“攻めの武器”でもあります。


■理想は「日次決算」、最低限は「早期月次決算」

理想を言えば、経営者は売上・経費・利益を毎日確認できる“日次決算体制”を持つこと。
しかし実務上、それを完全に実現できる企業は多くありません。

だからこそ、まずは月次決算をできる限り早く締めることが重要です。
「前月の数字を翌月末にようやく見ている」では遅すぎます。
目安としては——

前月の数字を翌月10日までに把握できる体制
これが、強い会社の共通点です。


■月次決算の早期化がもたらす3つの効果

経営判断のスピードが上がる
 早く数字を見られるほど、早く打ち手を講じられます。

現場の意識が変わる
 「数字をすぐに確認される」という環境が、自然と緊張感と改善意識を生みます。

資金繰り・利益構造の異常値を早期発見できる
 トラブルや異常を“月次で即発見”できる体制は、リスク管理そのものです。


■早期化の鍵は「経理業務のDX化」

月次決算を早期化するには、経理業務の効率化が欠かせません。
紙・手入力・後追い処理では、スピード経営は実現できません。

  • クラウド会計ソフトの導入
  • 領収書・請求書の電子化、AI-OCRによる自動入力
  • 銀行明細・クレジット取引の自動連携
  • 経理担当者のリモート対応・システム化

これらのDX化は、単なる効率化ではなく、「数字を早く見る仕組み」そのものです。


■“早く締める会社”は“良い会社”

月次決算が早い会社ほど、組織の連携が取れ、管理精度が高く、社員の意識も高い傾向にあります。
「数字を出すスピード」は、会社の“健康度”そのものです。

逆に、数字が遅い会社は——

  • 売上を感覚で把握している
  • 経費が予算を超過しても気づかない
  • 問題が起きても翌月まで動けない

という致命的なリスクを抱えます。

経営はスピード。
月次決算が1日早く締まるたびに、会社は1日分強くなる。


■チェックポイント

✅ 前月の数字を翌月早期(10日以内)に把握できているか?
✅ 経理・会計の仕組みがデジタル化されているか?
✅ 数字をもとに経営会議を「リアルタイム」で開けているか?
✅ 売上・経費・利益を感覚でなくデータで判断しているか?
✅ 数字のスピードを“経営の競争力”と捉えているか?


■「数字のスピード」が、経営の質を決める

早期月次決算は、単なる会計処理ではありません。
それは、経営の判断スピードを最大化するための“情報インフラ”です。

数字が早ければ、対策も早い。
数字が早ければ、成長も早い。

経営の現場にスピードを生み出す「月次決算の早期化」こそが、強い会社の共通言語です。


更なる熱量を。
税理士事務所WATT 代表税理士 井深悠人


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