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2026.02.26

【第32回】黒字倒産を防ぐ体制になっているか?

はじめに

「今期は黒字です。」
この言葉を聞くと、多くの経営者は安心します。

しかし現実には、
利益が出ているのに倒産する会社が存在します。

それが「黒字倒産」です。


■会社が倒産する本当の理由

会社が倒産する直接的な原因は、

  • 赤字
  • 債務超過

ではありません。

資金が尽きること(資金ショート)
これが、倒産の本質的な原因です。

利益が出ていても、
支払いに必要な現金がなければ、会社は止まります。


■なぜ黒字なのに資金が苦しくなるのか?

損益計算書(PL)は、
一定期間の「利益」を示します。

しかし、PLには

  • 売上は計上されているが未回収の売掛金
  • 設備投資による大きな現金支出
  • 在庫の増加
  • 借入金の元本返済

といった、資金の動きの全体像は見えません。

だからこそ、
黒字倒産はPLだけを見ていると気づきにくいのです。


■鍵を握るのは「貸借対照表(BS)」

黒字倒産を防ぐために重要なのは、
貸借対照表(BS)を見ることです。

特に注意すべき項目は:

  • 売掛金の増加
  • 在庫の増加
  • 設備投資による固定資産の増加
  • 借入金残高と返済スケジュール

これらはすべて、
現金を圧迫する要因です。


■設備投資・在庫・返済は資金を吸い込む

たとえば、

  • 設備投資を一気に実行した
  • 売上拡大を見込んで在庫を増やした
  • 借入金の返済額が大きい

このような場合、
損益は黒字でも、キャッシュは急速に減少します。

利益が出ている=安心
ではありません。


■黒字倒産を防ぐための体制とは

黒字倒産を防ぐためには、次の体制が必要です。

  1. 月次決算を早期化する
  2. 資金繰り表を毎月作成する
  3. 売掛金・在庫・借入の推移をチェックする
  4. 投資・返済計画を事前にシミュレーションする

これらを仕組み化し、
「感覚」ではなく「数字」で資金を管理することが不可欠です。


■利益とキャッシュは別物

経営者が常に意識すべき言葉があります。

利益とキャッシュは別物。

利益は会計上の概念。
キャッシュは現実です。

会社を守るのは、最終的にキャッシュです。


■チェックポイント

✅ 黒字でも資金が厳しくなる理由を理解しているか?
✅ 損益計算書だけでなく貸借対照表を見ているか?
✅ 売掛金・在庫・借入の増減を把握しているか?
✅ 月次で資金繰りを確認しているか?
✅ 投資と返済のバランスを事前に検討しているか?


■会社を守るのは「利益」ではなく「資金」

黒字倒産は、防げる倒産です。

PLを見る経営から、
BSとキャッシュフローまで見る経営へ。

利益を追うだけでなく、
資金を守る体制を整えること。

それが、強く長く続く会社の条件です。


更なる熱量を。
税理士事務所WATT 代表税理士 井深悠人


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