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2026.02.12

【第30回】在庫管理はできているか?

はじめに

売上高や年商が伸びることは、確かに喜ばしいことです。
しかし、経営の本質は「売上」ではなく、売上総利益(粗利益)にあります。

その粗利益を正確に把握するために、
絶対に欠かせないのが在庫管理です。


■売上よりも粗利益が重要

売上は“規模”を表します。
粗利益は“実力”を表します。

売上が1億円あっても、
在庫ロスや原価管理が甘ければ、
実際に残る利益はわずかかもしれません。

逆に、
在庫管理が徹底されていれば、
同じ売上でもより多くの利益を残すことができます。


■在庫は「利益の源泉」であり「リスク」でもある

在庫は単なるモノではありません。
現金が姿を変えたものです。

  • 仕入れすぎれば資金が寝る
  • ロスが出れば利益が減る
  • 管理が甘ければ数字が歪む

在庫管理が甘い会社は、
「利益が出ていると思っていたのに実は出ていなかった」
という事態にもなりかねません。


■棚卸をしなければ、正しい粗利は出ない

粗利益の計算は、次の式で求められます。

売上 − 売上原価 = 粗利益

この売上原価を正確に算出するためには、
期首在庫・仕入・期末在庫の正確な把握が必要です。

つまり、棚卸をしなければ、
正しい粗利益は算出できません。


■強い会社ほど在庫に厳しい

強靭な会社ほど、在庫に対する意識が非常に高いものです。

  • 1円単位のズレを放置しない
  • ロスや廃棄に敏感
  • 在庫回転率を常に意識している

在庫管理は地味な作業ですが、
その積み重ねが会社の体力を左右します。


■毎月末は“当たり前”。理想は日次管理

最低限、毎月末の棚卸は必須です。
月次決算と連動させ、
正確な在庫数と粗利益を把握しましょう。

さらに理想を言えば、

  • 日々の在庫変動を管理
  • リアルタイムで在庫状況を把握

ここまでできれば、
在庫は“問題の温床”ではなく、
利益を生む武器になります。


■在庫管理は「経営姿勢」の表れ

在庫管理を軽視する会社は、
どこかで数字に対する甘さが出ます。

逆に、
在庫を1円単位で管理できる会社は、
必ず他の数字も丁寧に扱っています。

在庫管理は、
経営者の姿勢そのものです。


■チェックポイント

✅ 毎月末に棚卸を実施しているか?
✅ 在庫ロスやズレを放置していないか?
✅ 在庫回転率を把握しているか?
✅ 粗利益を正確に算出できているか?
✅ 在庫を“資産”として意識しているか?


■在庫を制する者が、利益を制する

売上を追うことも大切です。
しかし、利益を守り、伸ばすためには、
在庫を制することが不可欠です。

地味な積み重ねが、
やがて強い財務体質を作ります。

在庫管理の徹底こそが、
利益体質への第一歩です。


更なる熱量を。
税理士事務所WATT 代表税理士 井深悠人


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