WATT Tax & Accounting Firm

SCROLL

2026.02.18

【第31回】売掛金・買掛金の管理はできているか?

はじめに

ビジネスは、売上を計上したら終わり。
請求書を発行したら終わり。

……ではありません。

代金を回収するまでがビジネスです。

帳簿上の利益と、実際の現金は別物。
ここを理解していないと、黒字なのに資金が足りない、という事態に陥ります。


■売上は「回収して初めて完了」

売掛金とは、
「まだ受け取っていないお金」です。

売上を計上しても、
入金されなければ会社のキャッシュは増えません。

だからこそ、

  • 請求漏れはないか
  • 入金遅れはないか
  • 滞留している債権はないか

を、定期的にチェックする仕組みが必要です。

債権管理を「なあなあ」にしてはいけません。


■回転率を意識しているか?

売上金の回収に時間がかかる(=サイトが長い)ということは、

無利子で得意先にお金を貸している状態

と同じです。

例えば、
月商1,000万円で回収サイトが60日なら、
常に約2,000万円を立て替えていることになります。

資金繰りの観点から見れば、
回収は早いに越したことはありません。

売掛金回転率や回収サイトを把握し、
改善できる余地がないか検討することが重要です。


■買掛金管理も同様に重要

一方で、買掛金(支払債務)の管理も徹底すべきです。

  • 支払漏れ
  • 支払遅れ
  • 金額間違い

これらは、一瞬で信頼を失う行為です。

取引先との信頼関係は、
長年かけて築くもの。
しかし崩れるのは一瞬です。

支払予定表を整備し、
確実に支払える体制を構築しましょう。


■資金繰りの王道

資金繰りの基本原則はシンプルです。

  • 売上代金の回収はできるだけ早く
  • 仕入代金の支払いはできるだけ遅く

この差(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)を短縮することが、
会社の資金余力を高めます。

ただし、
相手あってこそのビジネスです。

独りよがりな条件交渉や一方的な延長は、
長期的な関係を損ないます。

王道は、
双方にとって無理のない条件を探りながら、
健全なキャッシュフローを構築することです。


■売掛金・買掛金は「資金繰りの要」

売上や利益ばかりに目が向くと、
売掛金・買掛金は後回しにされがちです。

しかし実際には、

  • 売掛金の増加
  • 在庫の増加
  • 買掛金の減少

この組み合わせが、資金を一気に圧迫します。

利益ではなく、キャッシュで会社は生きる。

この視点を忘れてはいけません。


■チェックポイント

✅ 売掛金の残高と回収状況を把握しているか?
✅ 売掛金回転率や回収サイトを意識しているか?
✅ 買掛金の支払管理を徹底しているか?
✅ 支払遅れや漏れが発生していないか?
✅ キャッシュ・コンバージョン・サイクルを理解しているか?


■数字の管理が、信頼と資金を守る

売掛金・買掛金の管理は、
単なる経理業務ではありません。

  • 資金繰りを守る
  • 信頼を守る
  • 経営の安定を守る

極めて重要な経営活動です。

「回収して初めて売上」
「支払って初めて取引完了」

この意識を、会社全体で共有していきましょう。


更なる熱量を。
税理士事務所WATT 代表税理士 井深悠人


関連記事


関連タグ