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2026.09.18

【第74回】ホームページの導線は最適化されているか?

はじめに

「ホームページはある。でも、問い合わせがほとんど来ない。」

そんな悩みを抱えていないでしょうか。

会社概要もある。

サービス内容も載っている。

デザインもきれい。

それでも問い合わせにつながらないのであれば、見直したいのがホームページの「導線」です。

ホームページを訪れた人は、必ずしも最初から問い合わせるつもりで見ているわけではありません。

「この会社は何をしている会社だろう?」

「自分の悩みを解決してくれるだろうか?」

「他社と何が違うのだろう?」

「料金はいくらだろう?」

「信頼できる会社だろうか?」

こうした疑問を一つずつ解消しながら、問い合わせや購入へ進んでいきます。

つまりホームページで重要なのは、情報をたくさん掲載することではありません。

お客様が知りたい情報を、知りたい順番で提供し、迷わず次の行動へ進めるようにすること。

それが導線設計です。


■ホームページは「会社案内」から「営業の仕組み」へ

ホームページを、

「会社概要を載せておく場所」

と考えていないでしょうか。

もちろん、会社情報を掲載することも必要です。

しかし、営業や集客を目的とするのであれば、ホームページにはもう一つ重要な役割があります。

それは、見込み客を次の行動へ進めることです。

例えば、

SNSを見る

ホームページを訪れる

サービス内容を確認する

事例を見る

料金を見る

問い合わせる

という流れです。

ホームページは、この流れの途中に存在します。

せっかくSNSや広告で興味を持ってもらっても、ホームページで迷わせてしまえば問い合わせにはつながりません。

ホームページは24時間働いてくれる営業担当者。

そう考えると、「何を掲載するか」だけでなく「どう動いてもらうか」が重要だと分かります。


■トップページを見て「3秒」で何の会社か分かるか

まず確認したいのが、トップページです。

初めてホームページを訪れた人が、

「誰に、何を提供している会社なのか」

をすぐ理解できるでしょうか。

例えば、

「未来を創造する、最高のパートナーへ。」

という言葉だけでは、理念は伝わっても何をしている会社なのか分かりません。

一方で、

「岐阜県の中小製造業向けに、生産設備の設計・製造・保守まで一貫対応」

と書いてあれば、対象顧客とサービスがすぐ分かります。

経営者は自社のことを知り過ぎています。

そのため、

「これくらい説明しなくても分かるだろう。」

と思ってしまいがちです。

しかし、お客様は初めてホームページを見る人です。

「初めて見る人にも伝わるか?」という視点で確認することが重要です。


■お客様が知りたい順番になっているか

ホームページを会社側の都合だけで作ると、

会社概要。

社長挨拶。

沿革。

事業内容。

お問い合わせ。

という順番になりがちです。

しかし、お客様が最初に知りたいのは会社の設立年月日ではないかもしれません。

多くの場合、

「自分の悩みを解決してくれるのか?」

が先です。

例えばサービス業なら、

お客様の悩み

解決方法

サービス内容

選ばれる理由

事例・実績

料金

利用の流れ

よくある質問

問い合わせ

という流れが考えられます。

もちろん業種によって最適な順番は違います。

大切なのは、会社が伝えたい順番ではなく、お客様が知りたい順番になっているかです。


■問い合わせボタンを探させていないか

「この会社に相談してみよう。」

せっかくそう思っていただいたのに、

「問い合わせはどこからするんだろう?」

と探させてしまってはいけません。

例えば、

ページ上部。

サービス紹介の最後。

料金ページ。

事例ページ。

ページ下部。

など、お客様が行動したくなる場所から自然に問い合わせへ進めるようにします。

ただし、問い合わせボタンを大量に置けばよいということでもありません。

重要なのは、

「ここまで読んだ人が次に知りたいこと・したいことは何か?」

を考えて配置することです。

導線設計とは、お客様を無理やり問い合わせへ誘導することではありません。

お客様が次に進みたいと思った瞬間に、その道を用意しておくことなのです。


■問い合わせのハードルを上げ過ぎていないか

問い合わせフォームまで来てくれたのに、途中で離脱してしまうケースもあります。

例えば、

入力項目が20個ある。

住所を番地まで必須入力。

会社情報を細かく入力しなければならない。

相談内容を長文で書かなければ送信できない。

これでは、

「ちょっと相談してみよう。」

と思っていた人が、

「面倒だから、また今度でいいか。」

となってしまうかもしれません。

もちろん、事前に必要な情報を取得することも大切です。

しかし、

「問い合わせ時点で本当に必要な情報なのか?」

は一度見直してみましょう。

名前。

連絡先。

会社名。

相談内容。

まずは最低限の情報で接点をつくり、その後のヒアリングで確認する方法もあります。


■具体例:「アクセスは増えたのに問い合わせが増えない」

例えば、Web広告を強化した結果、ホームページへのアクセスが月500件から月2,000件へ増えたとします。

しかし、問い合わせ件数は月5件のまま。

この場合、

「広告の効果がない。」

と判断するのは早いかもしれません。

広告は、ホームページへ人を連れてくるところまでは機能しています。

問題はその先です。

2,000人が訪問して5件の問い合わせであれば、問い合わせ率は0.25%です。

そこで、

トップページのメッセージ。

サービス説明。

実績・事例。

料金。

問い合わせボタン。

フォームの入力項目。

スマートフォンでの見やすさ。

などを確認します。

仮に改善によって問い合わせ率が1%になれば、同じ2,000アクセスでも問い合わせは20件です。

広告費を増やさなくても成果が4倍になる可能性があります。

集客を増やす前に、受け皿を改善する。

これも非常に重要なマーケティング戦略です。


■「安心材料」を導線の途中に置く

初めて問い合わせをするお客様には、不安があります。

「本当に信頼できる会社なのか?」

「強引に営業されないだろうか?」

「自分と同じような相談に対応した実績はあるのか?」

その不安を解消するために、

  • お客様の声
  • 導入事例
  • 実績
  • スタッフ紹介
  • 代表者の考え方
  • 料金
  • よくある質問
  • 契約までの流れ

などを用意します。

重要なのは、それらをただ掲載することではありません。

例えばサービスページを読んだ人が、

「本当に成果が出るのかな?」

と思うタイミングで事例ページへ進める。

料金ページを見た人が、

「契約したらどう進むのだろう?」

と思うタイミングで利用の流れへ進める。

このように、お客様の不安を先回りして解消することも導線設計です。


■スマートフォンで必ず確認する

経営者や制作担当者がホームページを確認するとき、パソコンだけで見てしまうことがあります。

しかし、お客様はスマートフォンから見ているかもしれません。

スマートフォンでは、

文字が小さい。

ボタンが押しにくい。

電話番号をタップできない。

画像が大き過ぎて表示が遅い。

問い合わせフォームが入力しづらい。

といった問題が起こることがあります。

ホームページを改善するときは、実際のお客様と同じ環境で操作してみることが大切です。

自分自身がお客様になったつもりで、

検索する。

ページを読む。

サービスを探す。

料金を確認する。

問い合わせフォームを開く。

ここまで実際にやってみましょう。


■導線は「数字」で改善する

導線が良いか悪いかを、デザインの好みだけで判断してはいけません。

確認したいのは、

  • ページごとのアクセス数
  • どのページから離脱しているか
  • 問い合わせページへの到達数
  • 問い合わせ件数
  • 問い合わせ率
  • 流入経路別の成約状況

などです。

例えば、

サービスページは月1,000回見られている。

問い合わせページへ進んだのは100件。

実際に送信されたのは10件。

と分かれば、

サービスページから問い合わせへの導線。

問い合わせフォーム。

それぞれに改善余地がないか考えられます。

ホームページは、完成した瞬間がゴールではありません。

数字を見ながら改善し続ける経営ツールなのです。


■チェックポイント

  • トップページを見て、誰向けの何の会社かすぐ分かるか?
  • お客様が知りたい順番で情報が配置されているか?
  • 各ページから次に進む場所が分かりやすいか?
  • 問い合わせボタンを探さなくても見つけられるか?
  • 問い合わせフォームの入力項目が多過ぎないか?
  • 事例・実績・お客様の声など、安心材料を用意しているか?
  • スマートフォンでも使いやすいか?
  • アクセス数だけでなく、問い合わせ率まで確認しているか?

■まとめ|ホームページの目的は「見てもらうこと」ではない

ホームページを作る。

アクセスを増やす。

それだけでは、会社の売上にはつながりません。

大切なのは、その先です。

訪れた人に、

「自分に関係がある会社だ。」

と思ってもらう。

自社の価値を理解してもらう。

不安を解消する。

そして、

「一度相談してみよう。」

という次の行動につなげる。

この一連の流れを設計することが、ホームページの導線最適化です。

広告費を増やす前に。

SNSの投稿数を増やす前に。

SEOでアクセスを増やす前に。

一度、自社のホームページを初めて訪れたお客様の目線で最初から最後まで操作してみてください。

迷う場所はないか。

分からない言葉はないか。

不安が残っていないか。

問い合わせたいと思ったとき、すぐ行動できるか。

ホームページは、一度作って終わりではありません。

お客様の行動を見ながら、磨き続ける営業資産です。

小さな導線改善が、大きな問い合わせの差につながるかもしれません。


更なる熱量を。
税理士事務所WATT 代表税理士 井深悠人

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