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2026.06.03

【第45回】オンボーディング体制はあるか?

はじめに

採用活動は、採用できたら終わりではありません。

むしろ本当のスタートは、入社してからです。

中途採用であっても、新卒採用であっても、せっかく時間とコストをかけて採用した人材が短期間で離職してしまっては、会社にとって大きな損失となります。

だからこそ重要なのが、オンボーディング体制の整備です。


■離職率を下げる鍵は入社直後にある

新入社員が退職を考える理由として、

  • 仕事内容が想像と違った
  • 誰に相談すればよいか分からない
  • 組織に馴染めない
  • 成長実感が持てない

といったものがよく挙げられます。

これらの多くは、本人の能力や適性の問題ではなく、受け入れ体制の問題です。

つまり、オンボーディング次第で防げる離職も少なくありません。


■オンボーディングとは何か

オンボーディングとは、

新入社員が組織や業務に早く適応し、戦力として活躍できるように支援する仕組み

のことです。

単なる研修や業務説明ではありません。

  • 会社の理念や価値観を理解する
  • 人間関係を構築する
  • 業務を習得する
  • 成功体験を積む

これらを総合的に支援する取り組みです。


■理想の状態を明確にする

オンボーディングで最も重要なのは、

「いつまでに、どのような状態になっていてほしいのか」

を明確にすることです。

例えば、

  • 入社1週間後
  • 入社1か月後
  • 入社3か月後
  • 入社6か月後

といった節目ごとに目標状態を設定します。

ゴールが曖昧なままでは、育成も曖昧になってしまいます。


■ステップやプロセスを具体化する

強い会社ほど、

  • 初日に何を伝えるか
  • 1週間で何を覚えるか
  • 1か月でどこまでできるようになるか
  • 誰が教育担当になるか

が明確になっています。

育成を属人的にするのではなく、再現性のある仕組みとして設計することが重要です。


■小さな成功体験を積ませる

新入社員は不安を抱えています。

だからこそ、

  • できたことを認める
  • 成長を実感させる
  • 適切なフィードバックを行う

ことが大切です。

小さな成功体験の積み重ねが、自信となり、定着率向上につながります。


■採用コストを無駄にしないために

採用には、

  • 求人費
  • 面接時間
  • 教育コスト

など、多くの経営資源が投入されています。

その投資を回収するためにも、採用活動だけではなく、入社後の育成と定着に力を入れる必要があります。


■チェックポイント

✅ オンボーディングの仕組みがあるか?

✅ 入社後の育成計画が明文化されているか?

✅ 1か月後、3か月後、6か月後の理想像が明確か?

✅ 教育担当者や責任者が決まっているか?

✅ 定期的な面談やフィードバックの機会があるか?


■採用の成功は入社後に決まる

採用できたことは成功ではありません。

本当の成功は、新入社員が活躍し、定着し、会社の戦力になることです。

そのためには、本人の努力だけに頼るのではなく、会社として受け入れと育成の仕組みを整える必要があります。

オンボーディングは、離職率を下げるための施策であると同時に、会社の成長スピードを高めるための重要な経営戦略なのです。


更なる熱量を。
税理士事務所WATT 代表税理士 井深悠人


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