はじめに
会社が成長するにつれて、経営者や管理職が社員一人ひとりと話す機会は少なくなっていきます。
しかし、社員との対話が減るほど、小さな悩みや不満、成長の兆しに気付くことは難しくなります。
だからこそ、意識的に設けたいのが社員面談です。
社員面談は評価を伝える場ではありません。
社員を理解し、信頼関係を深め、成長を支援するための大切な時間なのです。
■日報や月報だけでは見えないものがある
日報や月報は、業務の進捗や成果を把握するうえで非常に有効です。
しかし、
- 今どんなことに悩んでいるのか
- 将来どのような仕事をしたいのか
- 人間関係で困っていることはないか
- モチベーションはどう変化しているか
こうした内容は、文章だけではなかなか伝わりません。
表情や話し方、言葉の間からしか分からないこともあります。
だからこそ、対面で話す時間には大きな価値があります。
■「時間ができたら」は永遠に来ない
忙しい経営者ほど、「落ち着いたら面談しよう。」「時間ができたら話そう。」と考えがちです。
しかし、経営者の仕事が完全に落ち着く日は、ほとんどありません。
だからこそ、定期的に実施するルールを決めることが重要です。
例えば、
- 月に一度
- 四半期に一度
- 半年に一度
など、自社に合った頻度で構いません。大切なのは、「必ず実施する」ことです。
■1対1だからこそ話せることがある
会議では話せないことがあります。他の社員がいる前では相談できないこともあります。
だからこそ、1対1で膝を突き合わせて話す時間が必要なのです。
社員面談では、
- 仕事のこと
- 将来の目標
- 困っていること
- 改善してほしいこと
など、率直な対話ができます。
この時間が、信頼関係を育てていきます。
■「話す」より「聴く」
社員面談で最も大切なのは、経営者や上司が話すことではありません。社員の話を聴くことです。
- 否定せずに聴く
- 最後まで聴く
- 興味を持って聴く
この姿勢が、「この会社なら安心して相談できる。」という安心感につながります。
■面談は離職防止にもつながる
社員が退職を決意する前には、多くの場合、小さなサインがあります。
しかし、日頃から面談を実施していれば、
- 不安
- 不満
- 悩み
- キャリアの希望
などを早い段階で把握することができます。
問題が大きくなる前に対話を重ねることで、離職を防げるケースも少なくありません。
■チェックポイント
✅ 定期的な社員面談を実施しているか?
✅ 「時間ができたら」ではなくルール化しているか?
✅ 1対1でじっくり話す時間を設けているか?
✅ 面談で社員の話をしっかり聴いているか?
✅ 面談内容を育成や組織改善に活かしているか?
■社員面談は未来への対話
社員面談は、現在の評価を伝えるためだけの場ではありません。
社員の未来を一緒に考え、会社の未来を一緒につくるための時間です。
忙しいからこそ時間をつくる。
話すためではなく、聴くために時間をつくる。
その積み重ねが、信頼を育み、人が育ち、人が辞めない組織へとつながっていきます。
更なる熱量を。
税理士事務所WATT 代表税理士 井深悠人