WATT Tax & Accounting Firm

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2025.08.25

【第7回】会社を強くする100のチェックポイント ~売上の細分化はできているか?~

こんにちは!!岐阜市の税理士事務所WATT 代表税理士の井深悠人です。

「売上は伸ばしたい」「利益を増やしたい」——
経営者なら誰しもがそう願います。
しかし、漠然と売上や利益を眺めているだけでは、具体的な打ち手は見えてきません。

大切なのは、売上を細分化して整理することです。
細分化によって、会社がどこで強みを発揮し、どこに課題を抱えているのかが明確になり、次に打つべき有効な手が見えてきます。


■売上を構造的に分解する

売上を「一つの数字」として捉えるのではなく、構造的に分解しましょう。
具体的には、以下の視点があります:

  • 事業部門ごと(例:卸事業、EC事業、店舗販売など)
  • 商品・サービスごと(例:A商品、B商品、Cサービスなど)
  • 単価 × 販売数(売上はこの掛け算で構成される)
  • 新規顧客とリピート顧客の比率
  • 粗利率(売上から原価を引いた割合)

こうした切り口で分解することで、
「何を伸ばすと売上が増えるのか」「どこを改善すれば利益率が上がるのか」が具体的に見えるようになります。


■粗利率を把握するために「月次棚卸」を

売上を伸ばす以上に重要なのが、粗利率の把握です。
売上が増えていても、原価が膨らんで利益が残らないケースは少なくありません。

粗利率を正しく把握するためには、月次で棚卸を行うことが欠かせません。
在庫数や原価の実態を把握することで、計算上の利益ではなく、実態に基づいた利益を見極めることができます。


■売上の細分化が「打ち手」を導く

売上の細分化は単なる分析作業ではありません。
そこから見えてくるのは、売上・利益を伸ばすための具体的な打ち手です。

  • A商品は売れているが粗利率が低い → 値上げや仕入れ交渉が必要
  • リピート率が高いサービスに注力すれば、効率的に利益が伸びる
  • 新規顧客の獲得数が頭打ちなら、広告戦略を見直すべき

このように、細分化した情報は、経営判断の質を大きく高めます。


■チェックポイント

✅ 売上を事業部門や商品・サービスごとに分解できているか?
✅ 単価と販売数を明確に把握しているか?
✅ 新規顧客とリピート顧客の構成を整理しているか?
✅ 粗利率を把握しているか?(月次棚卸を実施しているか?)
✅ 分析結果を経営者や従業員が理解し、打ち手に反映できているか?


■数字を「意味ある情報」に変える

売上や利益は、ただの数字の羅列ではありません。
細分化して分析することで、数字は「意味ある情報」に変わり、
会社を成長させるための確かな道しるべとなります。

経営者と従業員が同じ視点で売上構造を理解すること。
それが、会社を一段と強くするための基盤となるのです。


更なる熱量を。
税理士事務所WATT 代表税理士 井深悠人