WATT Tax & Accounting Firm

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2025.08.13

【第5回】会社を強くする100のチェックポイント ~予実管理はできているか?~

第4回で取り上げたような立派な目標や計画、KPIを立てても、それを定期的に振り返らなければ全く意味がありません。
経営は生き物です。外部環境も、内部の状況も日々目まぐるしいスピードで変化します。
だからこそ、「計画と実績の差」を定期的に確認し、必要に応じて軌道修正する——この予実管理が必須です。


■予実管理とは「経営の健康診断」

予実管理は、経営の現状を把握するための健康診断です。
「計画通りに進んでいるのか?」を確認し、
進んでいないなら「なぜ進んでいないのか?」を分析し、
その原因をもとに「次にどう動くか?」を決めます。


■数字だけでなく“構造”を見る

予実管理では、単に売上や利益の数字を見るだけでなく、
KPI(問い合わせ件数、成約率、顧客単価など)の進捗もあわせて確認することが重要です。

たとえば、売上が目標に届いていない場合でも、

  • 問い合わせ件数が想定より少ないのか
  • 成約率が低下しているのか
  • 顧客単価が下がっているのか
    によって打つべき施策はまったく変わります。

■見直しは「弱点補強」と「機会拡大」

予実管理の目的は、計画の失敗を責めることではありません。

  • うまくいっていない部分は改善策を講じる
  • うまくいっている部分はさらに伸ばす

この2つを両輪で回すことが、経営を成長軌道に乗せるカギです。


■チェックポイント

✅ 予実管理を毎月(少なくとも四半期ごとに)行っているか
✅ 数字だけでなく、KPIの進捗も分析しているか
✅ 差異の原因分析ができているか
✅ 必要に応じて目標・計画・KPIを見直しているか
✅ 改善策や新施策が次の行動に適切に反映されているか


■予実管理は「経営の舵取り」

海の上で、地図(計画)だけを頼りに航海するのは危険です。
コンパス(KPI)と現在位置(実績)を照らし合わせ、
必要なら進路を修正する——これが予実管理の役割です。

目標・計画・KPIは、作って終わりではありません。
定期的に測定・分析・見直しをかけることで、会社は迷わず目的地へ進むことができます。


更なる熱量を。
税理士事務所WATT 代表税理士 井深悠人