あなたの会社には、具体的な目標と、それを実現していくための計画がありますか?
第3回ではブランディングによる「らしさ」の追求について言及しました。
経営理念やブランディングを追求する中で「会社の目指すべき姿」がある程度明確になっているかと思いますが、会社の目標やそこに向かうための計画を「具体的に落とし込む」ことが非常に重要です。
目標達成までのステップを細分化し、具体的にすることで、チーム全体が共通認識を持ち、日々の事業活動を営むことができます。
本当に強い会社は、「目標」とそれを達成するための「計画」を立て、その実行を繰り返し、日々歩みを進めています。
■数値目標をドリルダウンしてKPIの設定を!!
目標は、経営者が会社の未来をどう描いているかの“意思表示”であり「ゴール」です。
たとえば、
- 年商1億円を達成する
- 粗利率を40%以内に収める
- 広告宣伝費を売上の5%投じる
といった具合ですが、数値目標は明確で分かりやすい反面、その実現のための具体的なアクションプランが設定しづらいという難点があります。
そこで、数値目標と合わせて「KPI(重要業績評価指標)」も適切に設定していきましょう。
たとえば、「月商1,000万円を目指す」と掲げたとしましょう。
そのためには、
- いくらの商品を何件販売する必要があるのか
- そのために何件の商談が必要か
- その商談を得るには何件の問い合わせ・来店が必要か
…と、「分解された数字」=KPIが明確である必要があります。
売上目標を達成するために、
- 顧客単価を上げるのか
- 成約率を上げるのか
- 新規顧客の流入数を増やすのか
どこに重点を置くかによって、戦略はまったく変わってきます。
上記のように目標をドリルダウンし、「客単価」や「客数」さらに言えば、「新規顧客数」や「リピート顧客数」などのKPIを抽出し、それらの目標も設定していきます。
KPIのない目標は、社長の頭の中の絵空事になってしまいます…
■KPIを持つことで、日々の行動が明確になる
KPIは、現場に「今日やるべきこと」を教えてくれます。
KPIがあることで、チームは「今どこにいるのか」「あと何をすれば目標に近づくのか」が可視化され、日々の業務に目的が生まれます。
KPIがないと、「今月は売上が足りないね」という感覚的な会話しかできませんが、
KPIがあると、「今月は問い合わせ数が足りない。広告の改善をしよう」と具体的な対策に繋がります。
■目標達成のためのステップを計画に落とし込む
KPIを含めた目標設定ができたあとは、そこに時間軸を加えて達成のステップを設定していきます。
どんな目標も一足飛びに達成するのではなく、細かい変化の積み重ねで達成していきます。
そのステップを毎年・毎月・毎日・毎時間の計画として設定していきます。
達成したい売上や利益の計画ももちろん大切ですが、それを実現するための「投資」の計画も非常に大切です。
例えば、「●カ月後に月次売上1000万円を達成するために、●月に製造設備を導入しよう」とか「今年中に●人の営業マンを採用しよう」、「今月は●●円の広告宣伝費を投じよう」といった具合です。
あとは適切にKPIを設定し、計画が順調に推移しているかモニタリングをしていきます。
■チェックポイント
✅ 売上・利益などの数値目標が明文化されているか
✅ 数値目標は細分化され、KPIは抽出されているか
✅ 目標達成に向けた計画が作られているか
✅ 計画も細分化されKPIは抽出されているか
✅ KPIは現場で共有され、日々モニタリングされているか
✅ 数字の変化に対する具体的な改善アクションが打てているか
■目標・計画・KPIは、経営の“エンジン”
目標は「行き先」、計画は「ルート」、KPIは「速度計」です。
この3つを整えることで、組織全体がブレずに動き、経営が加速していきます。
更なる熱量を。
税理士事務所WATT 代表税理士 井深悠人