こんにちは。岐阜市の税理士事務所WATT 代表税理士の井深悠人です。
「会社を強くする100のチェックポイント」、第2回のテーマは「経営方針は定まっているか?」です。
早速ですが、社長や経営陣の頭の中に、明確な「経営方針」はありますでしょうか??
第1回で取り上げた経営理念(MVV)が企業の“想い”を示したものだとすれば、経営方針はその思いを“実現”に導く羅針盤のようなものです。
目指すべき方向が決まっていても、進め方が定まっていなければ、会社は迷走してしまいます。特に中小企業では、トップの考えがそのまま現場に伝播しやすい分、トップの指針がぶれると、社員の判断や動きにもズレが生まれてしまいます。
経営方針とは何か?
改めてとはなりますが、経営方針とは、企業が事業活動を行う上での「基本的な考え方」や「基本的な方向性」を示すもので、経営理念を実現するための具体的な指針です。
たとえば、以下のような内容が含まれます。
- 会社が大切にする考え方や価値観
- どのような事業にどのように取り組むかなどの事業戦略
- 売上や利益、成長のスピード感、投資と回収に対する考え方
- 人材育成、採用、組織文化などの組織戦略
- リスクへの向き合い方や経営判断の優先順位
これらは「経営計画書」や「中期経営計画」などのお堅い資料にまとめられることもありますが、必ずしも分厚い資料にする必要はありません。
大切なのは、「わが社はこうやって経営していきます!!」と、社長が自分の言葉で語れ、社員に浸透しているかどうかです。
方針がある組織は、強い
経営方針が明確な会社は、社長の判断スピードが上がり、また、判断の質が上がるのはもちろんですが、社員が「自分の判断」で動けるようになります。
指示待ちではなく、経営の方向性に沿って、自分で考えて行動するようになる。これが組織の強さに直結します。
たとえば、「高品質・高単価路線でいく」と方針を明言していれば、価格交渉の場面で社員が迷いません。「地域密着で信頼重視」と打ち出していれば、多少コストがかかっても丁寧な仕事を優先できます。
このように、方針は日々の判断基準になり、経営の再現性とスピードを生み出すのです。
自社の経営方針、語れますか?
- 自社が大切にする考え方や価値基準は何か??
- どのような事業をどのように営んでいくのか?
- 重視するのは売上?利益?品質?投資?回収?
- どのように組織作りをしていくのか? などなど
これらが社長自身の中で明確になっていないと、社員も当然分かりません。
“なんとなく”で経営し続けてしまうと、知らず知らずのうちに大きなズレが生じてしまいます。
今一度、自分自身に問いかけてみましょう!!
更なる熱量を。
税理士事務所WATT 代表税理士 井深悠人