「新規顧客を増やしたい」と思う経営者は多いですが、真に強い会社は“リピーター”の比率が高い会社です。
新しいお客様を追い続けるよりも、既存のお客様にもう一度選ばれることの方が、はるかに高い利益と安定をもたらします。
■新規獲得よりも「リピート維持」のほうが効率的
マーケティングの世界には、こんな法則があります。
「新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかる」
つまり、同じ1万円を投資するなら、新しいお客様を探すよりも、今のお客様をもう一度来店・購入してもらう方が成果を出しやすいということです。
ビジネスの利益構造は、「2割のリピーターで支えられている」と言われます。
この“2割”を増やせるかどうかが、会社の安定と成長を左右します。
■リピートを生むのは「仕組み」と「体験」
リピートを増やすためには、まず「また買いたい」「また関わりたい」と思ってもらえる体験価値を提供すること。
そのうえで、自然と再購入や再来店が起こるような仕組みを設計することが大切です。
- 定期購入・会員制度・ポイントプログラム
- サービスの更新やメンテナンスの自動リマインド
- 定期的なフォローアップメールやニュースレター
- 感謝を伝えるDMやキャンペーンの案内
こうした仕組みを整えることで、顧客は“選び続ける理由”を感じ、他社に流れにくくなります。
■リピートを促す「ブランド力」
もちろん、リピーターを生むには商品・サービス自体の魅力も欠かせません。
品質、信頼、安心、そして「この会社と付き合っていきたい」と思わせるブランド力があるかどうか。
顧客は単にモノを買うのではなく、「この人から買いたい」「この会社と関わりたい」と思ってリピートします。
リピートとは、信頼の証なのです。
■既存顧客こそ最強の広告塔
リピーターが生まれると、そこから紹介・口コミが生まれます。
リピーターは単なる「再購入者」ではなく、**次の顧客を呼び込む“ファン”**へと進化していきます。
- リピート → ファン化 → 紹介
この流れをつくることが、強い会社の共通点です。
■チェックポイント
✅ 新規獲得よりも、既存顧客維持のコストを意識しているか?
✅ リピートを促す仕組み(会員制度・定期サービスなど)があるか?
✅ 顧客が“また買いたい”と思える体験を提供しているか?
✅ 既存顧客とのコミュニケーションを継続しているか?
✅ リピート顧客から紹介が生まれる仕組みを整えているか?
■リピートは“信頼の結果”
一度買ってもらうのは「興味の結果」。
二度目以降も選ばれるのは、「信頼の結果」。
リピート顧客を増やすということは、信頼を積み重ねる経営をしているということです。
新規顧客の獲得が“入口”だとすれば、リピート顧客の育成は“永続”の道。
安定した経営の礎は、常連客が育つ仕組みの上に成り立っています。
更なる熱量を。
税理士事務所WATT 代表税理士 井深悠人